
この記事の執筆者:鈴木 新之助
ピラティススタジオBB 仙台泉 | PHI Pilates インストラクター
この記事でわかること💡
・「BBスキルアップシリーズ」(小田島講師・大岩講師)の学びをセッションで活用した実践レポート
・体幹強化・パフォーマンスアップ・首肩こり改善――目的の異なる3名の会員様への具体的な活用事例
・リング種目と全身連動アプローチを通じて現場のセッションがどう変わったか
目次
はじめに ― 4月のBBスキルアップシリーズを振り返って
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2026年4月23日、ピラティススタジオBB 恵比寿にて、**「BBスキルアップシリーズ」**が一日2部構成で開催されました。
- 午前の部:小田島 政樹 講師(DTSピラティス/大阪 代表)「ピラティスリング活用編」
- 午後の部:大岩 俊貴 講師(マスターピースボディルーム/名古屋 代表)「肩関節編:構造から紐解く機能改善アプローチ」
両セミナーで共通して感じたのは、ニュートラルや関節そのものを”整えること”をゴールに置くのではなく、会員様ご自身が動きを感じ取り、その先の本来の動きへつなげていくという指導者としての姿勢でした。
本記事では、セミナー後の数週間で、実際にセッションへ取り入れた活用事例を3名の会員様を通じてお届けします。
関連記事 👉 ニュートラルのその先へ。小田島講師によるピラティスリング活用編 関連記事 👉 構造から紐解く肩関節。大岩講師による機能改善アプローチ編
事例①|体幹強化に取り組むデスクワーカー、S・A様
最初にご紹介するのは、デスクワークでお仕事をされている30代女性のS・A様です。姿勢改善と体幹強化を目的に、週に1回のペースでセッションを継続され、これまでに150回以上通っていただいております。
長時間のデスクワークが続くと、首や肩、前ももに力みが入りやすく、本来働かせたいお腹の奥の筋肉までスイッチが入りにくくなってしまいます。S・A様も、カールアップなどの基本種目で「首・肩・前ももに頼ってしまう」感覚を以前から気にされていました。
そんなS・A様にこのたび取り入れさせていただいたのが、**小田島講師より学んだ「リングを膝の間に挟むカールアップ」**です。

【一枚目の写真:キャデラックの上でリングを膝に挟み、カールアップを行うS・A様】
ポイントは、リングを潰さずに軽く挟むこと。それだけで内転筋から自然と体幹へ連動が生まれ、腹圧を意識しながらゆっくり頭を持ち上げていくことで、首・肩・前ももの力みを抜きながら、お腹の奥にしっかり力が入る感覚をご自身で確かめていただけます。
リングの張力と腹圧の両方を感じ取りながら起き上がる動きは、まさにご自身の身体との”対話”。インストラクターが言葉で説明する前に、リングが先に「正しい感覚」へと導いてくれる――小田島講師がおっしゃっていた**「対話のツール」**としての役割を、現場で実感した瞬間でした。

リングを一つ加えるだけで、カールアップが”頑張って起き上がる種目”から”感覚を確かめながら動く種目”へと変わります。150回以上セッションを重ねてこられたS・A様だからこそ、リングの繊細な張力の変化にもすぐに気づいてくださり、新しい気づきを得られる瞬間が増えました。
事例②|スキー・ゴルフのパフォーマンスアップを目指すR・W様
2人目にご紹介するのは、スキー・ゴルフのパフォーマンスアップを目的にピラティスに取り組まれている40代男性のR・W様です。週に1回のペースでセッションを継続され、これまでに150回以上通っていただいております。
スキーのストックワーク、ゴルフのスイング――いずれも腕の動きが「肩だけ」で成り立っているわけではない競技です。鎖骨から肩甲骨、胸郭、そして全身へとつながる連動の質が、パフォーマンスの底上げに直結していきます。R・W様も、肩甲骨と背中をしっかりと使えるようになることをテーマに、セッションを継続されてきました。
そんなR・W様にこのたび取り組んでいただいたのが、**座位でリングを使った「シェイブザヘッド」**です。

【キャデラックの上で座位、リングを頭の後ろから天井へ持ち上げるR・W様】
両手でリングを軽く挟み、頭の後ろから天井へと持ち上げていく種目で、座位で行うことで骨盤や下半身の代償が出にくく、肩甲骨と背中の動きに集中できる点が魅力です。意識するのは僧帽筋を中心とした肩周りの筋群。普段は気づきにくい肩の緊張や左右差が、リングを通して鮮明に浮かび上がってきます。
ここで活きてきたのが、午後の大岩講師「肩関節編」の学びです。肩を、肩甲上腕関節だけでなく、胸鎖関節・肩甲骨の前傾後傾/内旋外旋・全身の連動の3層で立体的に捉える視点を得たことで、私の観察も「腕がどこまで上がるか」だけでなく、鎖骨が動き出す最初の一瞬、肩甲骨の向き・傾き、胸郭・背中との連動まで自然に向くようになりました。

シェイブザヘッドはシンプルな種目ですが、リングと観察視点の組み合わせ次第で、競技パフォーマンスの土台づくりにまで応用できます。R・W様の動きを見ていると、鎖骨の最初の一動きから肩甲骨、胸郭、背中まで、一連の連動が滑らかに繋がっていく瞬間があり、それがそのままスキーやゴルフの動きの精度にも還元されていきます。
事例③|首肩こりの改善に取り組むM・K様
3人目にご紹介するのは、慢性的な首肩こりの改善を目的にピラティスに取り組まれている40代女性のM・K様です。週に1回のペースでセッションを継続され、これまでに180回以上通っていただいております。
首肩こりというお悩みは、肩そのものに原因があるとは限りません。坐骨で土台を捉えられているか、骨盤・体幹がキープできているか、胸郭が逃げていないか――これら**「肩の手前」の連動**が崩れていると、結果として首肩に過剰な負担が集まってしまいます。M・K様にも、肩を直接ほぐすアプローチではなく、全身の連動から肩を整えていく方向でセッションを組み立てています。
そんなM・K様に今回取り組んでいただいたのが、リフォーマー上で座位の姿勢を保ったまま、片手でストラップを引く全身連動エクササイズです。

【リフォーマー上で座位、ストラップを引きながら肩甲骨をサポートされているM・K様】
一見すると「腕を引く」だけの動きですが、坐骨でしっかりとマットを捉える土台・骨盤と体幹のキープ・胸郭が逃げないこと・肩甲骨が背中の上を正しい軌道で動くこと――これらが揃って初めて、腕がスムーズに引けるようになります。私はストラップを引く側と反対の肩甲骨〜背中に手を添え、M・K様ご自身が**「肩だけで引いていない感覚」**を掴めるようサポートしました。
大岩講師のセミナーで最も印象的だった言葉のひとつが、**「肩は単独で動くのではなく、全身の連動の上に成り立っている」**ということ。足元・骨盤・体幹・胸郭・肩甲骨を通してエネルギーが伝わり、最終的に「肩・腕」へとつながっていく――その感覚が、リフォーマー上のひとつの種目を通して、現場で立体的に立ち上がってきた時間でした。

『肩こり=肩をほぐす』ではなく、『肩こり=全身の連動から整える』。大岩講師の視点をお借りすると、首肩こりへのアプローチが一気に立体的になります。M・K様も、ストラップを引く動きを通して『肩だけで動かしていなかった』ことに気づかれ、ご自身の身体への観察眼が一段深まったご様子でした。
150回・180回――継続される会員様だからこそ広がる、新しい気づき
今回ご紹介した3名の会員様には、共通点があります。それは、いずれもピラティスセッションを150回・180回と長く積み重ねてこられたということです。
長く通ってくださっている会員様は、ご自身の身体の感覚にとても敏感です。同じカールアップでも、リングを一つ加えただけで「いつもと違う筋肉に効いている」と気づかれる。同じシェイブザヘッドでも、座位の安定感の中で「左右差が今日は違う」と感じ取られる。同じストラップを引く動きでも、「肩だけで引いていない感覚」を掴まれる――。
長年積み重ねてこられた基礎があるからこそ、新しいツールや視点が加わったときに、その変化をご自身の身体で深く受け取ってくださるのだと感じます。
S・A様、R・W様、M・K様――3名のセッションは、講師から学ばせていただいた視点を、会員様お一人おひとりの目的やお身体に合わせて翻訳していく時間でもありました。
まとめ

今回ご紹介した3名のセッションは、4月23日のBBスキルアップシリーズで学んだ視点を、日々の現場へ落とし込んでいくささやかな実践例です。
ピラティススタジオBBでは、今後も**「BBスキルアップシリーズ」**を継続的に開催し、インストラクターの指導力向上を図ってまいります。引き続き、現場で活かせる学びを会員の皆さまへと還元してまいります。
そしてピラティススタジオBB仙台泉では、肩こりや姿勢のお悩み、パフォーマンス向上を目指される方まで、お一人おひとりのご状態に合わせたオーダーメイドのセッションをご提案しております。
体験レッスンも受け付けておりますのでぜひお気軽にご相談ください。
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鈴木 新之助(Shinnosuke Suzuki)
PHI Pilates インストラクター。
中学生時代、心身の不調により学校に通えない時期を経験。その現状を変える為に、独自に運動や食事の改善、生活リズムの見直しを行い、少しずつ活力を取り戻していきました。
この経験を通じて、不調を抱える方々の力になりたいと想い、仙台スポーツ専門学校へ進学。授業の中でピラティスに出会い、ピラティスこそが自分が求めていた「不調を抱える人々に寄り添い、前向きな変化をもたらす手段」だと感じ、ピラティスインストラクターとして働きたいと思うようになり、ピラティススタジオBBに入社。