
この記事の執筆者:桂島 愛
ピラティススタジオBB 仙台泉 | PHI Pilates コンプリヘンシブインストラクター
この記事でわかること💡
・小田島政樹講師「ピラティスリング活用編」セミナーの内容
・印象に残った3つの種目(カールアップ・ショルダーブリッジ・シェイブ・ザ・ヘッド)
・『ニュートラルがゴールではない』という言葉に込められた意味
目次
講師紹介

小田島 政樹(Masaki Odajima)DTSピラティス/大阪 代表
柔道整復師。トレーナー歴20年以上。プロ野球、Jリーグ、JRA、オリンピアンなど多方面のトップアスリートをサポート。身体の連動性を重視した運動療法に定評がある。
今回の講師は、柔道整復師として20年以上のトレーナー歴を持ち、プロ野球・Jリーグ・JRA・オリンピアンなど多方面のトップアスリートをサポートしてきた 小田島 政樹 氏(DTSピラティス/大阪 代表)。3時間という充実した時間の中で、リングを「補助具」としてではなく「身体の可能性を引き出すツール」として捉え直す体験を得ることができました。
本記事では、現場で活躍するインストラクターの視点で、特に印象に残った種目と小田島講師の言葉を交えて、セミナーの様子をお届けします。
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※2025年8月7日、ピラティススタジオBB 恵比寿で開催されたセミナーの内容です。
セミナー概要

- 日時:2026年4月23日(木)10:00〜13:00
- 会場:ピラティススタジオBB 恵比寿
- 講師:小田島 政樹 氏(DTSピラティス/大阪 代表)
- テーマ:ピラティスリング活用編 〜7つの基本種目から展開するムーブメント part1〜
今回のセミナーには、全国各地からインストラクターがピラティススタジオBB恵比寿店に集まりました。少人数制ならではの距離感で、一つひとつの種目について「なぜこの動きなのか」「どこを意識するのか」を講師に直接確認しながら進められたことが、何よりの学びとなりました。
印象に残った3つのリングエクササイズ
7つの基本種目を通して学びましたが、その中でも特に印象に残ったのは以下の3つの紹介をさせていただきます。いずれも、現場のセッションですぐに取り入れたいと感じた種目です。
① カールアップ

カールアップは、仰向けの状態から頭から起こす、ピラティスの基本種目のひとつです。
セミナーでは リングを膝の間にセットし、軽く挟みながら(リングは潰さない)腹圧を入れる という方法で行いました。リングを挟むことで内転筋から体幹部が自然と働き、体幹を安定させた状態で起き上がる動きにつなげられます。そして重要なポイントが腹圧です。腹圧を意識することで首や肩、前腿が力まず体幹部がしっかり入る感覚を掴むことができました。
「ただ起き上がる」ではなく、リングの張力と腹圧の両方を感じながら、体幹のどこに力が入っているのかを自分で確認できる点が大きな学びでした。会員様自身が「正しい動きの感覚」を掴みやすくなるため、リングはまさに“自身の体との対話のツール”として機能します。日々のセッションにすぐに取り入れたい種目のひとつです。
② ショルダーブリッジ(2パターン)
ショルダーブリッジは、仰向けに寝た状態から骨盤を倒しお尻側から順番に背骨を持ち上げる種目で、骨盤や下肢の連動を学ぶうえで欠かせないムーブメントです。
セミナーでは、リングのセッティングを変えた 2つのパターン を体験しました。同じショルダーブリッジでも、リングをどこに置くかで意識する筋肉や動きの感覚が大きく変わるという、リング活用ならではの面白さを実感した種目です。

パターン1:膝の内側にリングを挟む
1つ目は、両膝の内側にリングを挟んで行うパターンです。リングは落とさず潰さず挟みキープしながらお尻を持ち上げることで、臀筋下部やハムストリング上部への意識 が明確になります。膝が開きやすい方や、母趾球が踏みずらい方、骨盤の安定感が掴みづらい方にとって、リングが「正しいポジションに導いてくれるガイド」として機能します。

パターン2:リングの中に足を入れ、膝の少し上にセットする
2つ目は、リングの中に足を通し、膝の少し上にリングをセットするパターンです。一般的な「膝で挟む」スタイルとは異なり、リングを少し上に置くことで意識のポイントが大きく変わります。
具体的には、下部臀筋(お尻の下のほう)とハムストリングスの付け根 と内転筋に効かせる感覚が明確になり、「お尻をただ持ち上げる」のではなく「お尻の下とももの裏の感覚を感じながら上げる」という動きの違いを体感できました。骨盤の安定と下肢の連動が一気に繋がる感覚があり、リングひとつで動きの質がここまで変わるのかと驚かされたバリエーションです。
リングを使う位置が変わることで効果が増して、会員様の身体の状態やお悩みに合わせてセッティングを使い分けることで、ショルダーブリッジ一つでも幅広いアプローチが可能になります。
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③ シェイブザヘッド

シェイブザヘッドは、両手で挟んだリングを頭の後ろにセットし両手を天井に伸ばしていく種目で、肩甲骨と背中の動きを丁寧に引き出していくエクササイズです。
セミナーでは写真のように あぐらの状態で行いました。リングを頭の後ろから天井へと動かす中で意識するのは 僧帽筋。普段は気づきにくい肩まわりの緊張や左右差が、リングを通して鮮明に浮かび上がってきます。
あぐらや座位で行うことで骨盤や下半身の代償が出にくく、肩甲骨と背中にしっかりとフォーカスできる点もこの種目の魅力です。肩まわりが固まりがちな会員様にも応用しやすく、お客様自身が自分の身体に向き合うきっかけを作りやすい種目だと感じました。
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真剣な熱気に包まれた会場の様子

会場には全国から集まったインストラクターが整然と並び、それぞれが小田島講師の言葉を一つも逃すまいと真剣な表情でエクササイズに取り組んでいました。
同じ動きをしていても、人によって肩甲骨の動き方や腕の上がり方が微妙に異なり、お互いの動きを観察し合うこと自体が学び になる時間でもありました。「インストラクターであっても、リングを使うとこんなに気づきがあるのか」と、参加者全員が改めて自分の身体と向き合う、とても濃密な3時間だったと感じています。
印象的だった小田島講師の言葉「ニュートラルがゴールではない」

そして、今回のセミナーで最も心に残ったのは小田島講師のこの言葉でした。
「ニュートラルがゴールではない。その先に導いていく」
ピラティスを学ぶ中で、骨盤や脊柱の「ニュートラル」を整えることは、すべての動きの土台となる大切な要素です。しかし、ニュートラルを整えること自体が目的になってしまうと、会員様が本来持っている動きの可能性を引き出しきれない、というメッセージとして受け取りました。
ニュートラルを「通過点」として捉え、本来の体の機能を引き出しその先にある日常動作やパフォーマンスへとつなげていく。指導者としての視座を一段引き上げてくれる、忘れられない一言でした。
まとめ

今回の小田島政樹講師による「ピラティスリング活用編」セミナーでは、ピラティスリングという一見シンプルな道具が、会員様の身体の連動性を引き出し、自らフィードバックを得られる “対話のツール” になることを実感しました。
カールアップ、ショルダーブリッジ、シェイブザヘッドの3種目は、明日からのセッションにも取り入れていきたい内容です。そして 「ニュートラルがゴールではない」 という小田島講師の言葉を胸に、会員様お一人おひとりがその先の動きへと進んでいけるよう、これからも学びを深めてまいります。
セミナー終了後には、小田島講師と記念のお写真を撮らせていただきました。3時間を通して、丁寧に、そして熱量を持って指導してくださった小田島講師に改めて感謝申し上げます。本当にありがとうございました!
ピラティススタジオBBでは、インストラクターの指導力向上を目指し、今後も「BBスキルアップシリーズ」を継続して開催してまいります。引き続き、現場で活かせる学びを会員の皆さまに還元できるよう努めてまいります。

そして、次回の記事では 大岩 俊貴 氏(マスターピースボディルーム/名古屋 代表)による「肩関節編:構造から紐解く機能改善アプローチ」 のレポートをお届けします。肩まわりの不調や動きづらさは、多くの会員様からご相談いただくテーマです。
今回学んだ「ニュートラルの先へ導く」という視点と、肩へのアプローチがどのように繋がっていくのか。次回のレポートもぜひお楽しみにお待ちください!
桂島 愛(Ai Katsurashima)
PHI Pilates コンプリヘンシブインストラクター。
宮城県登米市出身。体調を崩した経験をきっかけに健康や身体への関心が高まり、ピラティスと出会う。2021年にピラティススタジオBBへ入社し、仙台スタジオの立ち上げと成長に関わる。現在はスタッフの育成・サポートにも携わりながら、ピラティスを通して心身の健康をサポートしている。