
この記事の執筆者:桂島 愛
ピラティススタジオBB 仙台泉 | PHI Pilates コンプリヘンシブインストラクター
この記事でわかること💡
・股関節手術後に腰痛が起こりやすい理由
・ピラティスが術後ケアとして活用される背景
・40代男性・佐藤様の姿勢と柔軟性の変化(Before/After写真あり)
目次
「手術は成功したのに、なぜか腰が痛い」

——そんな経験はありませんか?
股関節の手術後に患部をかばうような動きがくせになり、その結果、腰や骨盤まわりに慢性的な負担がかかるケースは少なくありません。このように痛みの原因が「関節そのもの」ではなく、「体全体の使い方」にある場合、ピラティスがその解決策のひとつになることがあります。
今回は、股関節手術後に腰痛を抱えながらピラティススタジオBB仙台泉店でピラティスを始め、姿勢・柔軟性・腰痛の三つに変化を感じていただいた40代男性・佐藤様の事例をご紹介します。
なぜ股関節手術後に腰痛が起きやすいのか

まず、股関節と腰椎(腰の骨)は骨盤を介して密接につながっています。そのため股関節に痛みや違和感があると、人は無意識にその部位をかばい、骨盤の傾きや脊柱のカーブが変化します。そして、この代償動作が続くと本来は股関節で支えるべき負荷が腰に集中し、最終的に慢性的な痛みや緊張感につながることがあります。
手術後であっても、この「かばいぐせ」がついてしまうと簡単にリセットされません。つまり、体に染みついてしまった動作パターンを意識的に変えていくことが、術後の重要なポイントとなります。
パーソナルピラティスでのポイント

そして、佐藤様のセッションでは以下の3点を中心に取り組みました。
① 骨盤の中立位(ニュートラルポジション)を見つける
骨盤が前傾・後傾のどちらかに偏ってしまうと腰椎への負担が増します。まずは「骨盤の正しい位置」を感覚として捉えるところから始めました。
② インナーマッスルの再教育
体の深部にある腸腰筋や多裂筋といったインナーマッスルを使えるようにすることで、最終的に股関節と腰椎を協調的に動かせる体を目指しました。
③ 後面筋群の柔軟性向上
ハムストリングス・臀部・広背筋、さらに術後に硬くなりやすい股関節まわりの調整を行い、最終的に腰への負担を分散させるアプローチを取り入れました。
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Before/After:3方向から見た変化
① 側面(横から見た姿勢)の比較写真

Before: 頭部が体幹より前方に突き出たしており、胸椎が丸まって猫背の状態でした。さらに赤い重心線に対して頭・胸が大きく前方にスライドし、腰椎に負荷がかかりやすい姿勢です。
After: 頭が体幹の真上に近づき、胸椎の丸みが改善されています。そして骨盤のアライメントも整い、重心線に沿って体全体が縦に伸びたような印象に変わりました。
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② 後面(背中から見た姿勢)の比較写真

Before: 肩のラインにわずかな左右差が見られ、重心線に対して体が若干側方にずれていました。そのため、股関節をかばうことで生じた左右の筋緊張バランスの偏りが、姿勢に現れていました。
After: 肩・骨盤のラインが均等に近づき、脊柱の縦のアライメントが整っています。また、肩まわりの緊張がほぐれたことで首が長くすっきりと見えるようになり、左右の重心バランスが改善されています。
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③ 前屈(体の柔軟性)の比較写真

Before: 前屈時に指先が足首付近までしか届かず、ハムストリングスと背部全体の柔軟性に明らかな制限が見られました。そして股関節まわりの硬さが体の後面全体に影響を与えています。
After: 指先が床近くまで届くように変化しました。そして股関節の可動域が改善されたことで、ハムストリングスや背部の筋肉にも柔軟性が戻り前屈動作の質が大きく向上しています。
佐藤様とスタッフからのコメント

仕事で腰と股関節を故障してしまい、入院と手術を行いました。そして、リハビリや腰痛改善にはピラティスも効果的と理学療法士の方から教えてもらい、現在も継続して通っています。回数を重ねるごとに身体の使い方がわかる様になり、腰痛が改善していることを実感しております!

佐藤様の変化で特に印象的だったのは、体の柔軟性が向上し「かばう」姿勢から「正しい姿勢で体を使う」ことが可能になり股関節や腰痛が改善されたことです。まず側面の写真をご覧いただくと、頭の位置が大きく変わっていることがわかります。これは単なる「姿勢の矯正」ではなく、インナーマッスルが機能することで体が自然と整ってきた結果です。そして術後のお体でも、適切な強度と内容でアプローチすることで、着実に変化を引き出すことができます。まさに佐藤様の取り組みは腰痛改善の好例です。
まとめ

股関節手術後の腰痛は、かばい動作による骨盤・脊柱への負担が原因のひとつです。そのため、手術が成功しリハビリを終えた後でも、「なんとなく腰が重い」「動くたびに腰が気になる」という状態が続く方は少なくありません。これは関節の問題ではなく、体に染みついた動作パターンが原因であることが多く、意識的に改善していく必要があります。
ピラティスでは、骨盤の中立位の獲得・インナーマッスルの再教育・後面筋群の柔軟性向上など、体全体に働きかけるアプローチを取ります。つまり、「どこか一部をほぐす」のではなく、股関節・骨盤・腰椎が協調して動ける体をつくることを目指します。そのため、症状の根本にある動作パターンそのものを見直すことができます。
結果として、佐藤様は側面・後面の姿勢改善に加え、前屈可動域の大幅な向上という変化を実感されました。さらに、回数を重ねるごとに体の使い方がわかるようになり、日常動作での腰への負担も軽減されています。術後のお体であっても、適切なアプローチで着実に変化を引き出せることを、佐藤様の事例は示しています。
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よくある質問(Q&A)


Q. 手術後すぐでもピラティスはできますか?

A. 術後の状態や担当医の指示によって異なります。まずは主治医にご相談いただいたうえで、インストラクターにお体の詳しい状態をお伝えください。

Q. 腰痛がひどい状態でも参加できますか?

A. 痛みの程度や原因によって異なります。そのため、まずは医療機関でのご診断をお受けいただいたうえで、インストラクターにお体の状態を詳しくお聞かせください。状況によっては、医師の許可を確認させていただき、セッションを開始する場合もございます。

Q. 何回くらいで変化を感じられますか?

A. 個人差はありますが、佐藤様のように回数を重ねるごとに体の使い方がわかるようになり、変化を実感される方が多くいらっしゃいます。
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桂島 愛(Ai Katsurashima)
PHI Pilates コンプリヘンシブインストラクター。
宮城県登米市出身。体調を崩した経験をきっかけに健康や身体への関心が高まり、ピラティスと出会う。2021年にピラティススタジオBBへ入社し、仙台スタジオの立ち上げと成長に関わる。現在はスタッフの育成・サポートにも携わりながら、ピラティスを通して心身の健康をサポートしている。