マシンピラティススタジオを探していると、「リフォーマーピラティス」「マシンピラティス」といった言葉をよく目にすると思います。
しかし、ひとくちにマシンピラティスといっても、スタジオによって設備には大きな差があります。リフォーマー1台だけのスタジオもあれば、ピラティスで使われる主要な器具をすべて揃えたスタジオもあります。

ピラティススタジオBBでは、後者の「フルイクイップメント(Full Equipment)」と呼ばれる環境でセッションを行っています。この記事では、フルイクイップメントとは何か、そしてなぜそれがピラティスの効果を左右するのかをお伝えします。
目次
フルイクイップメントとは?|ピラティスマシンの種類と役割
フルイクイップメントとは、ピラティスで使用される主要な器具をすべて揃えた環境のことです。
代表的な器具には以下のようなものがあります。
ピラティススタジオBBの器具紹介
リフォーマー

スプリングの抵抗を利用し、全身のエクササイズに対応する最も汎用性の高い器具です。仰向け・座位・立位など多様なポジションでエクササイズを行えます。
トラピーズテーブル(キャデラック)

天蓋のようなフレームにスプリングやバーが取り付けられた器具です。背骨のモビリティ(可動性)を引き出すエクササイズや、仰向けでの安定したポジションから身体を動かすエクササイズに適しています。
チェア

コンパクトながら負荷の調整幅が広く、座位や立位でのエクササイズを通じて、体幹の安定性や下肢の強化にアプローチできます。
ラダーバレル

背骨のカーブに沿ったバレル(弧状の面)とはしご状のバーを組み合わせた器具です。胸椎の伸展(背中を反らす動き)や側屈など、背骨の三次元的な動きを安全に引き出すことができます。
スパインコレクター

背骨のアライメントを整えるための器具で、なめらかなカーブに身体を預けながら、背骨一つひとつの動きを意識したエクササイズが可能です。
コアアライン

立位でのエクササイズに特化した器具で、歩行パターンの改善や身体の連動性(キネティックチェーン)の向上に効果的です。
これらの器具にはそれぞれ異なる特性があり、身体の状態や目的に応じて使い分けることで、より的確なアプローチが可能になります。
なぜリフォーマーだけでは足りないのか
近年のマシンピラティスブームの中で、リフォーマーのみを設置したスタジオが急速に増えています。リフォーマーは非常に優れた器具であり、それ自体に問題があるわけではありません。

ただし、リフォーマーだけでカバーできるエクササイズには限りがあります。
たとえば、デスクワークで胸椎(背中の中〜上部)が硬くなっている方の場合、まずラダーバレルやスパインコレクターで背骨の動きを丁寧に引き出してからリフォーマーでのエクササイズに移行する方が、より効果的に身体が変わっていきます。

また、姿勢改善が目的の方に対しては、トラピーズテーブルで安定したポジションから背骨の配列を整えたり、コアアラインで立位での正しい身体の使い方を練習したりと、目的に応じて器具を選択できることが大きな強みになります。

つまりフルイクイップメントがあることで、「その方の身体に何が必要か」に対して、最適な手段を選ぶことができるのです。
マシンピラティススタジオの選び方|チェックしたい3つのポイント
マシンピラティスのスタジオが増えている今、どのスタジオを選ぶかで得られる効果は大きく変わります。スタジオ選びの際に確認しておきたいポイントを3つご紹介します。
1. 器具の種類:リフォーマーのみか、フルイクイップメントか
前述のとおり、リフォーマーだけのスタジオとフルイクイップメントのスタジオでは、対応できるエクササイズの幅が異なります。「身体の状態に合わせた多角的なアプローチを受けたい」という方には、複数の器具が揃ったスタジオが向いています。
2. レッスン形式:グループかパーソナルか
グループレッスンはコスト面のメリットがありますが、全員が同じエクササイズを行うため、個別の身体の課題に対応しにくい面があります。パーソナルセッションでは、インストラクターがその場で器具やエクササイズを選択できるため、フルイクイップメントの環境がより活きてきます。

3. インストラクターの資格と経験
ピラティスには様々な資格団体がありますが、フルイクイップメントを扱うには、リフォーマー以外の器具に関する専門的なトレーニングを修了している必要があります。通常は、コンプリヘンシブインストラクタースタジオを選ぶ際には、インストラクターがどのような資格や研修を経ているかも確認するとよいでしょう。
ピラティススタジオBBでの活用例
ピラティススタジオBBでは、すべてのセッションがパーソナル(マンツーマン)で行われます。フルイクイップメントとパーソナルセッションの組み合わせによって、器具の特性を一人ひとりの身体に合わせて最大限に活かすことができます。
実際のセッションでは、たとえば次のようなアプローチをとることがあります。
例1:反り腰が気になる方 チェアでの座位エクササイズで骨盤のニュートラルポジションを意識する練習から始め、リフォーマーで仰向けのエクササイズに展開。腹部と背部のバランスを整えていきます。
例2:肩こり・巻き肩が気になる方 ラダーバレルで胸椎の伸展を引き出し、トラピーズテーブルのプッシュスルーバーで肩甲骨まわりの動きを改善。最終的にリフォーマーで全身の連動性を高めるエクササイズへとつなげます。
例3:歩行時のバランスが気になる方 コアアラインで立位での体重移動や歩行パターンを練習し、身体の連動性を高めます。コアアラインは、日常動作に直結するエクササイズが行える数少ない器具のひとつです。
同じ「姿勢を改善したい」という目的でも、身体の状態によって使う器具やエクササイズの組み立て方はまったく異なります。パーソナルセッションだからこそ、インストラクターがその場で判断し、最適な器具を選択できるのです。
ピラティスで姿勢改善に取り組みたい方は、「ピラティスと姿勢改善の関係」もあわせてご覧ください。
フルイクイップメントの環境でピラティスを
ピラティスは単なるトレーニングではなく、身体の使い方を学び、姿勢や動きを根本から整えていく全身のボディワークです。
フルイクイップメントが揃った環境では、身体の状態に合わせてより多角的なアプローチが可能になり、ピラティス本来のメソッドを深く実践することができます。
ピラティススタジオBBでは、恵比寿・田町・錦糸町・武蔵小杉・三軒茶屋・南青山・仙台泉・肥後橋・心斎橋の各スタジオに、フルイクイップメントを完備しています。一人ひとりの身体に向き合うパーソナルセッションを通じて、姿勢改善や身体のコンディショニングをサポートしています。
この記事の執筆者:田沢 優(ピラティススタジオBB 代表)
東京大学大学院・身体科学研究室修了。身体運動学・神経筋制御を専門とし、科学的根拠に基づいたピラティスメソッドを構築。2013年にピラティス国際資格である、PMA®認定インストラクター資格を日本で4番目に取得。2015年「トレーナー・オブ・ザ・イヤー」受賞。PHIピラティスジャパン東京支部長を約5年間務め、都内を中心にパーソナルピラティススタジオを複数展開。オリンピック選手、プロ野球選手、Jリーガー、パラアスリート、頸髄損傷者などへの幅広い指導実績を持ち、インストラクター育成数は500名超。文光堂『運動療法としてのピラティスメソッド』にて3編を執筆。現在は「ピラティスをブームではなく文化にする」ため、後進育成と専門教育に尽力中。