
この記事の執筆者:桂島 愛
ピラティススタジオBB 仙台泉 | PHI Pilates コンプリヘンシブインストラクター
この記事でわかること💡
・脊柱管狭窄症と側弯症を抱えた方がピラティスで姿勢改善できた実例
・体の歪みが「連鎖」して起こるメカニズムと、その改善アプローチ
・イーロンゲイション(伸びる意識)と呼吸が側弯症改善に重要な理由
目次
はじめに
「腰が痛くて、運動を始めるのが怖い」——そのようなお気持ちを抱えたまま、長い時間を過ごしていませんか?
今回は、脊柱管狭窄症による腰の痛みを抱えながらも、ピラティスを通じて姿勢の変化を実感されたM・A様の事例をご紹介します。
M・A様は脊柱管狭窄症に加えて側弯症も併発されており、複数の症状が重なる複合的なケースでした。このような場合、一般的なアプローチだけでは対応が難しく、お一人おひとりの状態に合わせたきめ細やかな調整が欠かせません。
同じようなお悩みをお持ちの方、「どんな運動が自分に合っているのかわからない」とお感じの方にとって、少しでも参考になれば幸いです。
脊柱管狭窄症とは

脊柱管狭窄症は、腰部の脊柱管(神経の通り道)が狭くなり、神経が圧迫されることで、腰や足に痛み・しびれ・だるさなどを引き起こす状態です。
要因はさまざまですが、主に以下のようなことがきっかけになるとされています。
- 不良姿勢の長期的な継続
- 腰に負担のかかるスポーツや運動
- 加齢による椎間板の弾力性低下
- 脊柱管を取り囲む組織(靭帯・骨・椎間板など)の変形・肥厚
特に加齢とともにリスクが高まるため、中高年以降に発症するケースが多く見られます。「長く歩くと足がしびれてくる」「前かがみになると楽になる」という方は、脊柱管狭窄症の可能性を疑うこともあります。(診断・治療は必ず医療機関にご相談ください)
脊柱管狭窄症と側弯症の関係性

側弯症とは、正面から見たときに真っ直ぐであるべき背骨が、S字やC字のように曲がってしまう状態です。
子どもの頃に発症する「思春期特発性側弯症」がよく知られていますが、大人・中高年以降に起こる側弯は原因が異なります。加齢による以下のような変化が積み重なって発症するとされています。
- 椎間板の変性(クッション機能の低下)
- 背骨周辺の筋力低下
- 骨の変形や骨粗しょう症
脊柱管狭窄症と側弯症は別々の病気ですが、深い関係性があります。
加齢による変性が進むことで脊柱管が狭くなり(狭窄)、それが引き金となって側弯が起きることがあります。また逆に、側弯があることで特定の部位に負荷が集中し、脊柱管狭窄症を引き起こしたり悪化させたりすることもあります。
つまり、どちらか一方だけを見ていては不十分で、身体全体のバランスを俯瞰した視点が必要になります。
M・A様の姿勢写真

後ろから姿勢を見た全体的な印象は
- 体の軸が右にズレている
- 骨盤が右さがり
- 帳尻を合わせるために背骨がS字に変性
- 左右で使っている筋肉が違う
歪みは『連鎖』して起こる
ここで大切な視点をひとつお伝えします。体の歪みは、1か所だけに問題があるのではなく、「連鎖して生じるもの」であるということです。
たとえば骨盤が右下がりになると、そのままでは上半身が傾いてしまうため、体は無意識に背骨をS字状にカーブさせてバランスを保とうとします。これは「悪い姿勢」ではなく、「今その人にとって一番楽な姿勢」を体が選んでいる状態と捉えることができます。
そのため、体が大きく歪んでしまっている場合に**「無理やり真っ直ぐ立とうとする」のは逆効果**になることがあります。かえって不調を感じやすくなったり、別の部位に負担をかけてしまうことも少なくありません。
まず取り組むべきは、「どこが頑張り過ぎているのか」「どこが使えていないのか」を正確に把握し、細かく・丁寧に修正していくことです。
M・A様への具体的なアプローチ

M・A様は脊柱管狭窄症により腰に痛みがあるため、背骨を大きく反らせるような動きは避けながら進めました。セッションの基本的な流れは次のとおりです。
① 土台(骨盤)の調整から始める
まずは体の土台となる骨盤の左右差を整えることからスタート。十分に使えていなかった左のお尻(中臀筋)や股関節外旋の筋肉を少しずつ活性化させていきました。
② 背骨へのアプローチ:イーロンゲイションと呼吸
土台が整い始めたら、次は背骨へのアプローチです。ここで特に重要になるのが、イーロンゲイション(伸びる意識)と呼吸の二つです。
背骨がS字に歪んでいると、片側が潰れ、もう片側が引き伸ばされた状態になっています。そのままエクササイズを行うと、症状を悪化させてしまう可能性があります。
そこで大切なのが、「頭が天井から引っ張られるように伸びる」という意識(=イーロンゲイション)です。同時に、縮んでいる側に空気を送り込み、内側からそっと広げるような呼吸を意識することで、背骨を安全に動かす土台が整っていきます。
③ その日の状態に合わせて調整
側弯の彎曲パターンや症状の程度によって、適切なエクササイズには個人差があります。M・A様のセッションでも、毎回体の状態を確認しながら内容を柔軟に調整し、「伸ばす→支える→立つ」の流れを丁寧に積み重ねていきました。

まとめ
脊柱管狭窄症や側弯症は、「腰が痛いからエクササイズが怖い」と感じやすい症状です。しかし正しいアプローチであれば、動くことで体に良い変化をもたらすことができます。
大切なのは、
- 痛みの原因となる動きを避けること
- 体全体のバランスを「連鎖」として捉えること
- その日の状態に合わせて丁寧に進めること
この3点です。ピラティスはそのすべてに対応できる運動であり、M・A様のような複合的な症状をお持ちの方にも幅広く活用されています。
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桂島 愛(Ai Katsurashima)
PHI Pilates コンプリヘンシブインストラクター。
宮城県登米市出身。体調を崩した経験をきっかけに健康や身体への関心が高まり、ピラティスと出会う。2021年にピラティススタジオBBへ入社し、仙台スタジオの立ち上げと成長に関わる。現在はスタッフの育成・サポートにも携わりながら、ピラティスを通して心身の健康をサポートしている。