【完全ガイド】ピラティスは痩せる?|ピラティスとダイエットの科学

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ダイエット効果の科学と結果を出す7つのコツ

目次

  1. 結論サマリー
  2. ピラティスが「痩せる」と言われる3つの科学的根拠
  3. 消費カロリー比較:ピラティス vs 他の運動
  4. マットとリフォーマー、どちらがダイエット向き?
  5. 体重・体脂肪が変わり始めるまでの回数・期間
  6. 痩せるための7つの実践ポイント
  7. よくある失敗と対策
  8. Q&A:ピラティスとダイエットの素朴な疑問
  9. ピラティススタジオBBでの事例
  10. まとめ

1. 結論サマリー

  • ピラティス単独での急激な減量は難しいものの、継続的な実践により「基礎代謝アップ」「姿勢改善」「ストレス緩和」を通じて “痩せやすい体質” を構築できる。
  • 初心者(中程度強度)の消費エネルギーは約200–250 kcal/h上級クラスでは300 kcal/h超に到達することが報告されている。PubMedResearchGate
  • 2025年のランダム化比較試験では、リフォーマー・ピラティスがBMIと体脂肪率を有意に減少させた。Nature
  • 効率よく痩せる黄金比は、週2–3回のピラティス+週1–2回の有酸素/HIIT+栄養・休息の最適化。単発の高強度筋トレだけでは体重は動かず、食事・睡眠とのバランスが鍵となる。Harvard Health

2. ピラティスが「痩せる」と言われる3つの科学的根拠

2‑1. 消費カロリーによる直接的エネルギー収支

体重60 kgの場合、マットピラティス30分で約150 kcal消費すると試算されている。これはウォーキングよりやや低いが、フォーム修正が主体の運動としては十分なエネルギー赤字を生む。Harvard Health

2‑2. 筋量アップによる基礎代謝向上

12週間のマットプログラムで安静時代謝量の上昇と除脂肪量の増加が観察された。MDPI 深層筋を狙う動作が多く、見た目以上に代謝を押し上げやすい。

2‑3. 姿勢と呼吸調整によるホルモン・自律神経改善

胸式呼吸と軸の再教育は交感神経を適度に刺激し、日常活動量(NEAT)を底上げする結果が報告されている。PubMed

なお、科学的な身体変化以上に、「思考変容」「行動変容」によって「痩せる」人が多いことは現場感として強く感じが、上記のような研究は2025年時点では存在していないか、軽視されている。


3. 消費カロリー比較:ピラティス vs 他の運動

種目30分消費カロリー(体重60 kg換算)特徴
ピラティス(中強度)約150 kcal低衝撃・フォーム重視
ヨガ(ハタ)約120 kcal柔軟性・呼吸中心
ウォーキング(5 km/h)約180 kcal膝への負担が少ない
ジョギング(8 km/h)約300 kcal有酸素+下半身強化
HIIT(20 秒×8本)約260 kcal+EPOC*代謝後燃焼が大きい

*EPOC=運動後過剰酸素消費。値はHarvard Healthの表を基に換算。Harvard Health


4. マットとリフォーマー、どちらがダイエット向き?

項目マット・ピラティスリフォーマー・ピラティス
消費カロリー100–250 kcal/h200–350 kcal/h
負荷調整体重・重力のみスプリングで無段階調整
特徴手軽・自重中心レジスタンス強め・全身連動
ダイエット適性★★★☆☆★★★★☆

2025年のRCTでは、リフォーマー群がマット群より体脂肪率を2.3 %多く減少させた。Nature

ただし、特にプライベートレッスンでは、かなり個別性が強く、マシンピラティスの方がマットピラティスよりもカロリー消費が高いエクササイズを提供していないケースも多い。


5. 体重・体脂肪が変わり始めるまでの回数・期間

経験者アンケート(女性100名)平均回数平均期間
見た目変化を感じた時点10.4回1.5か月
体重計で数値変化を確認22.7回3.2か月

(PR TIMES調査)プレスリリース・ニュースリリース配信シェアNo.1|PR TIMES


6. 痩せるための7つの実践ポイント

  1. 週2–3回の継続(グループの場合):48–72時間空けてコア筋の超回復を促す。
  2. プライベートピラティスへの切り替え:インストラクターとのコミュニケーションの量と質を上げる
  3. 有酸素運動と組み合わせる:ピラティスの日以外に20–30分のジョギングやバイク。Harvard Health
  4. 栄養バランス:たんぱく質1.2 g/体重kgを目安に、エネルギー赤字は1日300–500 kcalを狙う。
  5. NEATの強化:正しい姿勢を維持しながら通勤・家事でこまめに歩く。
  6. 十分な睡眠:胸式呼吸で副交感神経を優位にし、7時間以上の質を確保。
  7. ストレス管理:高ストレス状態ではコルチゾール増により脂肪蓄積が進む。
  8. フォームチェック:誤ったアライメントは効果半減。プロの指導で修正。

補足
週1回だけの激しい筋トレでは“筋刺激→回復→超回復”のサイクルが不十分で、エネルギー消費も週合計で見ると不足しがち。栄養・休息・頻度をトータルで設計することが、ピラティスを含むどのダイエット法でも成功の分水嶺となる。


7. よくある失敗と対策

失敗例原因対策
週1以下で効果が出ない刺激不足プライベートレッスンに切り替えるか、週2以上
カロリーコントロール不足食事量が変わらない食事記録アプリで可視化、スタジオ・インストラクターに相談
見た目先行で体重が減らない筋肉増+脂肪減見た目先行で本来は問題なし、体脂肪率・写真などの別評価をするのも良い
腰・首を痛めた反り腰や頭前姿勢プライベートレッスンに切り替えるか、スタジオ・インストラクターに相談、医師の診断が必要な場合はクリニックへ

8. Q&A:ピラティスとダイエットの素朴な疑問

Q1. 1日10分でも痩せる?
A. エネルギー収支だけでは不足。ただし体幹活性化→NEAT増を通じ長期的にプラス。

Q2. 産後ダイエットに向いている?
A. 骨盤底筋・腹横筋に安全にアプローチ可能。医師の許可を得て開始を。

Q3. 男性でも効果ある?
A. 男女とも体脂肪率低下が報告されており、特にデスクワーカーの腹部脂肪減が顕著。MDPI


9. ピラティススタジオBBでの事例

👉1年で体重5.5kg減、体脂肪率5.3%減

50代女性の事例:見た目も明らかに若返っている

👉1年で体重3.5kg減、体脂肪率6.4%減

40代女性の事例:ダイエットだけでなく体幹も安定した

10. まとめ

ピラティスは**「高カロリー燃焼型の減量法」ではなく、「痩せ体質をつくる基礎工事」**です。筋力・柔軟性・姿勢・自律神経を同時に整え、ダイエット成功率を底上げします。ただし、栄養管理と休息が揃ってこそ効果は最大化。あなたのライフスタイルにフィットする方法を選び、“継続できる仕組み”を最優先しましょう。

Pilates Studio BBでは、プライベートセッション60分を5,500円で体験いただけます。ピラティスをダイエット計画の“コア”に据えたい方は、ぜひ一度スタジオでお試しください。


参考文献

株式会社HYV. (2024, 10月 8日). 155名が実施した効果的なダイエット方法を大公開! PR TIMES. プレスリリース・ニュースリリース配信シェアNo.1|PR TIMES

Andrade, L. d. S., et al. (2021). What is the exercise intensity of Pilates? Journal of Bodywork & Movement Therapies, 26, 36‑42. https://doi.org/10.1016/j.jbmt.2020.12.007 PubMed

Olson, M. S., et al. (2004). The energy cost of a basic, intermediate, and advanced Pilates’ mat workout. Medicine & Science in Sports & Exercise, 36(5), S357. https://doi.org/10.1249/00005768-200405001-01711 ResearchGate

Gökalp, Ö., & Kirmizigil, B. (2025). Effects of Reformer Pilates on body composition… Scientific Reports, 15, 23602. https://doi.org/10.1038/s41598-025-09683-8 Nature

Su, C.‑H., Peng, H.‑Y., Tien, C.‑W., & Huang, W.‑C. (2022). Effects of a 12‑week Pilates program on functional physical fitness and basal metabolic rate… IJERPH, 19(23), 16157. https://doi.org/10.3390/ijerph192316157 MDPI

Harvard Health Publishing. (2021, March 8). Calories burned in 30 minutes for people of three different weights. Harvard Health


この記事の監修者:田沢 優(ピラティススタジオBB 代表)
東京大学大学院・身体科学研究室修了。身体運動学・神経筋制御を専門とし、科学的根拠に基づいたピラティスメソッドを構築。2013年にピラティス国際資格である、PMA®認定インストラクター資格を日本で4番目に取得。2015年「トレーナー・オブ・ザ・イヤー」受賞。PHIピラティスジャパン東京支部長を約5年間務め、都内を中心にパーソナルピラティススタジオを複数展開。オリンピック選手、プロ野球選手、Jリーガー、パラアスリート、頸髄損傷者などへの幅広い指導実績を持ち、インストラクター育成数は500名超。文英堂『運動療法としてのピラティスメソッド』にて3編を執筆。現在は「ピラティスをブームではなく文化にする」ため、後進育成と専門教育に尽力中。