僧帽筋とは?名前の由来と役割
肩こり・首こり改善に欠かせない筋肉のひとつが**僧帽筋(そうぼうきん)**です。僧帽筋は、上部・中部・下部に分かれ、頭や肩、肩甲骨の動きに関与します。

和名の「僧帽」は、カトリック教フランシスコ会「カプチン修道会」の僧侶がかぶるフード(帽)の形に似ていることから名付けられました。フードを後ろに垂らした形が、まさに僧帽筋の形と一致します。
英語では形が台形に似ていることから**Trapezius(トラぺジウス)**と呼ばれます。

僧帽筋上部と肩こりの関係
僧帽筋上部は、正しい姿勢であれば安静時には過度に緊張していません。しかし、猫背や長時間のスマホ・パソコン作業で頭が前に出ると、常に引っ張られる状態になり「筋疲労」が起こります。
これが慢性的な肩こりの大きな原因の一つです。

関連筋としては、肩甲挙筋、菱形筋、首周囲の胸鎖乳突筋や斜角筋も挙げられます。首こりが強い場合は、これらの筋肉にもアプローチが必要です。
僧帽筋上部ストレッチのやり方
今回紹介するのは、肩甲骨を下制して固定しながら行う僧帽筋上部ストレッチです。
手順
- 椅子に座る
- 右手の甲を上にしてお尻の下に敷く
- 左手を頭の上から回し、右耳のあたりに添える
- 右手で椅子を押しつつ、左手で頭を優しく左側に倒す
- 僧帽筋上部の伸びを感じながら15〜20秒間、ゆっくり呼吸
- 反対側も同様に行う

ポイント
- 首を傾ける前に肩甲骨を下制することが重要
- 鎖骨と肩甲骨が下制・固定された状態で頭を傾けると、僧帽筋上部が効率的に伸びます
- 気持ち良い範囲で止め、無理な伸ばしすぎは避けましょう

他のやり方との比較
- 手を腰に当てる方法
→胸鎖乳突筋や斜角筋は伸びますが、上腕二頭筋や小胸筋が硬い場合は肩甲骨が前傾しやすく、僧帽筋上部の伸びが不十分になることがあります。 - 手首を後ろで掴む方法
→肩甲骨の下制がしやすく、バリエーションとして有効です。

ピラティスとの組み合わせで効果倍増
ストレッチ後に、ピラティスの**「シェイブ・ザ・ヘッド」**を行うと、僧帽筋全体の活性化につながります。これにより、肩こりの予防や改善効果が高まります。
ピラティスリングがない場合は、ハンガーなどで代用できるエクササイズもおすすめです。
まとめ
- 僧帽筋上部は猫背やスマホ姿勢で疲労しやすい
- 肩甲骨を下制して固定するストレッチが効果的
- ストレッチ後にピラティスを組み合わせると肩こり予防に有効
肩こりに悩む方は、ぜひ今回の僧帽筋上部ストレッチとピラティスを組み合わせて、日常的に取り入れてみてください。
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