ピラティスのラダーバレル(Balanced Body)を使ったサイドシットアップエクササイズの様子

ラダーバレルとは?|スパインコレクターとの違いと代表的なマシンピラティス・エクササイズを紹介

#ラダーバレル
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ラダーバレルの開発の歴史

ラダーバレル(Ladder Barrel)は、ピラティスメソッドの創始者ジョセフ・ピラティスが考案したピラティスマシンのひとつです。

ジョセフはニューヨークでピラティススタジオを開いた際、日常生活にある身近な道具から着想を得て器具を開発しました。ラダーバレルもその一つで、ワイン樽のような丸みを帯びた「バレル」と、木製の「はしご(ラダー)」を組み合わせることで誕生しました。

ピラティスのラダーバレル(Balanced Body)を使ったサイドシットアップエクササイズの様子

このシンプルな構造によって、背骨の柔軟性を高めたり、体幹・下肢の筋肉を効果的に鍛えることが可能となり、姿勢改善やリハビリ、アスリートのパフォーマンス向上にも活用されるようになりました。

なおフルイクイップメントを装備している本格的なピラティススタジオには、このラダーバレルが導入されており、各ピラティス団体のフル認定のインストラクターは、こちらのエクササイズ指導ができます。

一方で、特にマンションタイプのピラティススタジオを中心に、スペースの関係で導入を断念している場合もあります。


スパインコレクターとの違い

ラダーバレルとよく比較される器具に「スパインコレクター(Spine Corrector)」があります。

ピラティススタジオBB武蔵小杉で、スパインコレクターを使ってシザーズを行っている写真

両者は形状が似ていますが、以下の点で大きな違いがあります。

項目ラダーバレルスパインコレクター
構造バレル(樽)+はしご(ラダー)で固定バレル部分のみ
安定性はしご部分に足をかけられるため安定性が高い床に置くタイプで、やや不安定
エクササイズの幅体幹・下肢・柔軟性トレーニングまで幅広い背骨や胸郭の矯正・ストレッチに特化
初心者向けか安定性があるため導入しやすい軽量で持ち運びやすく家庭向けにも適応

つまり、ラダーバレルは強度や安定性を伴うトレーニングにも活用できる一方、スパインコレクターは背骨の矯正やストレッチ特化型という違いがあります。


ラダーバレルの代表的なエクササイズ

ラダーバレルは、背骨の柔軟性を高めるストレッチから、筋力強化まで多彩なエクササイズが可能です。ここでは代表的なものを紹介します。

1. サイドストレッチ(Side Stretch)

バレルの丸みに体側を沿わせ、片手を伸ばして体側を大きくストレッチする動き。
肋骨の可動性や側屈の柔軟性を改善

2. バックエクステンション(Back Extension)

バレルにうつ伏せになり、背骨を反らす動き。
脊柱起立筋の強化・猫背改善に有効。

3. ハムストリングストレッチ(Hamstring Stretch)

ラダーに片足をかけ、体を前屈させる動き。
太もも裏(ハムストリングス)の柔軟性向上に役立つ。

4. ティーザー(Teaser on Barrel)

バレルのカーブに腰を預けてV字バランスをとる。
体幹強化・バランス感覚の向上に効果的。

なお、ラダーバレルの代表的なエクササイズを8分35秒にまとめたYouTube動画を作成していますので、ご興味のある方は、ぜひご覧ください😊

<エクササイズの流れ> 0:00 オープニング 0:13 ハムストリングストレッチ 1:05 内転筋&ハムストリングストレッチ 1:47 大腿四頭筋ストレッチ 2:49 梨状筋/臀部ストレッチ 3:46 ロールバック-ラウンドバック 4:23 オブリークアブドミナル 4:44 スワンダイブ-ハンドアシスト 5:08 スワンダイブ 5:37 スワンダイブ-アディングローテーション 6:14 サイドシットアップ-スタンディングオンフロア 6:56 サイドシットアップ-アドバンスバージョン 7:27 ラテラルヒップ/大腿筋膜張筋ストレッチ


まとめ|ラダーバレルは「万能型バレル」

ラダーバレルは、ジョセフ・ピラティスが開発した伝統的な器具で、柔軟性・安定性・筋力強化を幅広くカバーできる万能型のバレルです。スパインコレクターに比べると安定性が高く、初心者から上級者まで活用できる点が大きな魅力。

特に、姿勢改善・腰痛予防・アスリートのパフォーマンストレーニングまで対応できるため、ピラティススタジオにおいて欠かせない器具のひとつと言えるでしょう。

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