【保存版】「くびれ」と「下腹ぽっこり」は何が違う?ピラティスで叶える美しいお腹のつくり方

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はじめに:くびれと下腹ぽっこり、実は違う?

同じ「お腹まわり」の悩みでも、「くびれがない」「下腹がぽっこり出る」のでは、原因もアプローチもまったく違うことをご存じですか?

「ウエストがくびれないのは脂肪のせい?」「下腹が出るのは骨盤がゆがんでるから?」――そんな疑問にピラティスが明確な答えをくれます。

美しいお腹は“やみくもな腹筋運動”では手に入りません。

これから、解剖学と動きの原則に基づいた解説記事を執筆いたします😊


「くびれ」と「下腹ぽっこり」の違いとは?

「くびれ」と「下腹ぽっこり」は、見た目や原因が異なる体型の特徴です。

くびれは、肋骨と骨盤の間が内側に引き締まってできるウエストラインのくびれを指し、主に横から見たときの美しい曲線を意味します。

一方で、下腹ぽっこりは下腹部が前方に突き出た状態で、内臓の下垂や腹部のインナーマッスル(特に腹横筋や骨盤底筋)の低下などが原因とされます。

くびれは側腹部の引き締めによって整えられるのに対し、下腹ぽっこりの改善には体幹の深層筋を鍛えることが重要です。

両者の特徴は似て非なるものであり、それぞれに適したアプローチが求められます。

項目くびれがない下腹ぽっこり
見た目の特徴ウエストラインにくびれがなく、寸胴に見える下腹部がぽっこり前に出ている
主な原因腰回りの筋肉・肋骨・骨盤の動きが乏しい骨盤の傾き、腹横筋・骨盤底筋の弱化、内臓下垂
改善すべきポイント体幹の回旋・側屈と肋骨の動き深層筋の活性化と骨盤の安定性
ピラティス的解決法体幹の「ひねり」動作を取り入れる「引き込む」力を養う腹部トレーニング

解剖学的に見る「くびれ」と「下腹ぽっこり」の正体

解剖学的に見ると、「くびれ」は肋骨下部(第10〜12肋骨)と腸骨稜との間にある腹斜筋群(外腹斜筋・内腹斜筋)の引き締まりによって形成されるラインです。

これに対し「下腹ぽっこり」は、腹直筋下部や腹横筋といったインナーユニットの機能低下、さらに骨盤底筋や多裂筋の連動性の欠如により内臓が前方・下方に突出することで生じます。

つまり、くびれは筋肉の外観的な収縮バランス、下腹ぽっこりは深層筋と内臓支持機構の崩れによるものです。

前者は側面のラインを形作り、後者は骨盤周囲の安定性と密接に関係し、改善に必要なエクササイズも異なります。

● くびれに関係する筋肉

  • 外腹斜筋・内腹斜筋:ウエスト周りを形成する筋肉。肋骨と骨盤をつなぐ。
  • 広背筋・脊柱起立筋:姿勢保持や背中のラインにも関与。
  • 肋骨の可動性:肋骨が固く動かないと、見た目のウエストラインも広がって見える。

➡️ ポイント:肋骨と骨盤の「距離」と「ねじり動作」でくびれを作る!

● 下腹ぽっこりに関係する筋肉

  • 腹横筋:お腹をコルセットのように支える深層筋
  • 骨盤底筋群:骨盤の底から内臓を支えるインナーユニット
  • 腸腰筋:骨盤を前に引き、反り腰の原因にもなる

➡️ ポイント:「押し出す」ではなく、「内側に引き込む」力をつけることが重要!


ピラティスによるアプローチ:目的別エクササイズ例

◆ くびれをつくるピラティスエクササイズ

① ヒールスライドツイスト

  • 目的:腹斜筋の強化と代償動作の予防
  • ポイント:背骨を回旋するときに、脇腹が潰れないようにする

② スパイダー

  • 目的:肋骨の可動性向上と腹斜筋の強化
  • ポイント:左右差がわかりやすいので、背骨を綺麗に回旋させる

◆ 下腹ぽっこりを解消するピラティスエクササイズ

① 肋骨動かし呼吸 with タオル

  • 目的:腹横筋、横隔膜の活性化
  • ポイント:タオルで肋骨の動きを感じる

② キャットポジションでの呼吸

  • 目的:腹横筋、横隔膜、骨盤底筋の活性化
  • ポイント:首の力などが抜けた状態での呼吸

③ ヒールスライド with インプリンティング

  • 目的:下腹部の安定性と引き込みの強化
  • ポイント:「お腹が緩やかに効いた状態をキープしたまま脚を動かす」

よくある誤解と修正アドバイス

上記のインスタでも冒頭で述べていますが、「お腹を凹ませたいからといって、上体お越しの腹筋ばかりするのやめてください🙅」 

以下に誤解と、ピラティスインストラクターからのアドバイスをさせていただきます。

くびれについては、例えば骨盤が広い方ほど目立ちやすいというような特徴はあります。

他人と比較すれば、もちろん「羨ましい」などあるかもしれませんが、比べるのは「過去・現在・未来」の自分です❗️

「自分史上一番」は、いつだって目指せます。

誤解ピラティス的アドバイス
「腹筋運動をたくさんすれば下腹がへこむ」→ 表層の腹直筋ばかり鍛えてもスウェイバックのような不良姿勢が改善しなければ、下腹は凹みません。まずは、深層筋(インナーマッスル)を活性化させましょう。
「くびれは生まれつきの骨格だから無理」→ 骨格の影響はもちろんあります。しかし、筋肉の動き・肋骨の可動性・姿勢習慣である程度は改善可能です。

まとめ:くびれと下腹は“別モノ”だからこそ、正しいアプローチを

くびれと下腹ぽっこりは見た目の悩みとしては似ていても、原因も、必要な筋肉も、改善のための運動も異なります

ピラティスでは、呼吸・姿勢・インナーマッスルの働きを通じて、「くびれを作り」「下腹を引き締める」ことが両立可能です。

まずは日常の姿勢と呼吸から見直して、“正しく動かすこと”から変えてみましょう。

ただし、もちろん「暴飲暴食」は、くびれを減らし、下腹ぽっこりを増長させますので、その点は気をつけましょう。


💡 ワンポイントアドバイス

「毎日10分」の簡単なピラティス習慣でも、3週間で下腹とウエストラインに変化が出る方も多数。自分の身体に意識を向ける時間を大切にしましょう。

そのためには、上記であげたようなインスタの情報を参考にしていただいても良いですし、もちろんピラティススタジオBBにお越しいただければ、さまざまなアプローチでみなさまのスタイルアップのためのご提案をさせていただきます。

ピラティススタジオBBでは、多くのスタジオで体組成計を導入しています。だからこそ、年間20000セッションの中でさまざまな会員様の事例をご紹介できているんですよ❗️

ピラティススタジオBB


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この記事の監修者:田沢 優(ピラティススタジオBB 代表)

東京大学大学院・身体科学研究室修了。身体運動学・神経筋制御を専門とし、科学的根拠に基づいたピラティスメソッドを構築。2013年にピラティス国際資格である、PMA®認定インストラクター資格を日本で4番目に取得。2015年「トレーナー・オブ・ザ・イヤー」受賞。PHIピラティスジャパン東京支部長を約5年間務め、都内を中心にパーソナルピラティススタジオを複数展開。オリンピック選手、プロ野球選手、Jリーガー、パラアスリート、頸髄損傷者などへの幅広い指導実績を持ち、インストラクター育成数は500名超。文英堂『運動療法としてのピラティスメソッド』にて3編を執筆。現在は「ピラティスをブームではなく文化にする」ため、後進育成と専門教育に尽力中。