ピラティスとは
ピラティスとは、Joseph Pilates(ジョセフ・ピラティス)という実在の人物(1883-1967)が開発した身体メソッドです。
ジョセフは、自身が開発したエクササイズを「コントロロジー(=Contorl+logy=コントロールをする学問)」と呼んでいました。
「身体と心を自分の意志でコントロールする能力を、同時に同等に発達することが最優先すべき自然の法則である」と、その著書「Your Health」(1934年刊)で述べています。
「呼吸の重要性」だけでなく、「椅子やベッドなどの設計・構造の問題」「健康食品問題・健康に関する講演・健康に関する記事の不正確性」など、現代の健康産業にも通じる問題点を80年以上も前から指摘していたのです。
ここ数年で有名になった「体幹トレーニング」。体幹の重要性。
ジョセフは、「Whole Body Movement」(全身の動き)を重要視し、必ずしも体幹だけにフォーカスをして指導はしていませんでしたが、同時に体幹の強化の必要性を当時から訴えていました。
現在の「体幹トレーニング」を考案した元祖の1人とは言えるのではないでしょうか?(ただし、やはりピラティスと体幹トレーニングとは重なる部分もありますが、別物です)
生前はニューヨークのモダンダンサーを通じて徐々に広まり、その後は情報化の発達とともにピラティス・メソッドは世界に広まるようになりました。
ジョセフは、第一次世界対戦時の負傷兵でもエクササイズができるように、ベッドを改良したマシンを開発しました。
ピラティスマシンは、現代では多くの医療の現場にも導入されるようになり、多くの患者の機能改善にも役立っています。
また世界中のトップアスリートも、障害予防やパフォーマンスアップの観点からピラティスを取り入れるようになっており、NFLや大学アメリカンフットボールの多くのチームのトレーニングルームにはピラティスマシンが導入されています。
世界的に有名なバレエ団の中には、ピラティス専門ルームを備えていたりと、多くのパフォーマーやアスリートにとってピラティスは身近な存在になっております。
現在では、世界中のピラティスの実践者は、子どもからお年寄りまで、リハビリ目的の方からトップアスリートまで、老若男女問わず広まっております。
著書「Your Health」(1934年刊)の前書には、以下のような記述があります。
「全ての新しいアイディアは革命的であり、その理論が正しいと実践をもって証明されたなら、それが発展し繁栄するのは単に時間の問題である。そのような変革的なアイディアを人は無視することができない。それらは人の目を引かずにはいないのだ。時間と進歩は同義語である。−何ものもそれを止めることはできない。真実は勝つ。そしてそれゆえに私は、私の大衆に普及し、全世界で受け入れられるとわかっているのだ。」
80年以上前にピラティスの世界的な普及を予測していたジョセフの思いは、私たち指導者、そして実践者である皆様に脈々と受け継がれているのです。
ピラティスの効果
シェイプアップ
ピラティスは、呼吸や各エクササイズを習得することにより、インナーユニットと呼ばれる体幹の深層部の筋肉が上手く使えるようになってきます。その結果、体幹の深層部の筋肉は、コルセットの役割を果たしてくれるため、お腹周りのシェイプアップが可能になります。
姿勢改善
現代人は産業革命以降、「同じ姿勢で長時間過ごす」ということが増えたため、「正しい姿勢」を維持する時間が圧倒的に減った結果、「良い姿勢を保つ」ということが非常に難しくなっております。PCやスマートフォンの普及により、その傾向はますます強くなっております。猫背・反り腰など、多くの方々の悩みとなっております。ピラティスにおいて体幹部の筋肉が使えることにより、特に腰部や骨盤周りの筋肉が正しく使え、筋肉自体の長さも「あるべき位置」に近づき、結果姿勢が改善します。
肩こり・腰痛軽減
ピラティスは、正しい肩甲帯の位置で腕を動かすエクササイズ、ただしい骨盤の角度で下肢を動かすエクササイズを行っていただきます。その結果、骨盤部や頸部(首周り)が安定し、肩甲骨や股関節の可動域が正常化されていきます。肩こりや腰痛の改善、四十肩・五十肩やぎっくり腰の予防にも非常に大きな効果を発揮します。当然、アスリートのスポーツ障害予防のためにも、多大な効果を発揮します。
冷え・むくみ改善
冷え・むくみの原因のひとつとして、「間違った運動パターンにより、特定の筋肉ばかり疲労した結果、疲労物質が溜まる」ことが原因になっている場合があります。ピラティスにより「正しいムーブメント(動き)」を覚えていただくことにより、正しい運動パターンが習得され、正しい筋肉が使えるようになり、冷えやむくみが改善する可能性があります。また、物理的に筋肉がストレッチと収縮を繰り返すことにより、筋肉によるポンピング効果でリンパ液の流れがスムーズになることで、冷えやむくみが改善されることもあります。
産後の回復・引き締め
出産直後は、骨盤底筋群を中心としたインナーユニットが非常に弱化します。産後に「軽い尿漏れをひきおこしてしまった」「下腹部がぽっこりしてしまった」という現象は、このインナーユニットの弱化が原因であるケースが非常に多くなっております。産後のトレーニングにおいては、アウターマッスル中心のトレーニングよりも、ピラティスをすることにより、インナーユニットを強化することにより、回復・引き締めを狙うことが可能になります。
パフォーマンスアップ
姿勢不良が原因で、アスリートが不調に陥ることは良くあります。その場合、技術指導だけで改善しようと思ってもうまくいかないことがほとんどです。姿勢が悪ければ、肩甲帯や股関節の可動域は下がります。その結果、腰椎や膝などの部位に不自然な力が加わりやすく、障害や傷害を引き起こす可能性も高まりますし、もちろん効率的な動作ができません。「体幹を安定させた上で、四肢を動かす」。ピラティス氏が提唱した「コントロロジー=コントロールする学問」は、まさにアスリートが常に実践すべき事柄です。もちろん、ゴルフやランニングのパフォーマンスアップにピラティスの習得は多大な効果を発揮します。
ピラティスの可能性
主要ピラティス団体が参画しているPilates Method Alliance(PMA)では、Heroes in Motionという活動を行っています。
次の動画は、Heroes in Motionの活動の様子を動画でまとめたものです。(全編英語です)
動画の最初は、生前のジョセフ・ピラティスの指導シーンから始まっています。
ジョセフ・ピラティスは、著名なモダンダンサーであったイヴ・ジェントリーが根治的乳房切除術を受けた後の運動機能の改善のためのエクササイズ指導を行いました。
イブ・ジェントリーは、その後ピラティスの第一世代ティーチャーとしても活躍しました。
その後のシーンでは、多発外傷、平衡感覚障がい、戦場による負傷での両脚切断、外傷性脳障害の方々へのピラティス指導が紹介されています。
ピラティスインストラクターは、女性であれ男性であれ、高齢者であれ子どもであれ、障がい者であれ、健常者であれ、アスリートであれ、どのような方にとっても、運動能力を高め、神経系の改善をはかり、皆様の心の充実にも貢献したいと考えています。
動画の最後のお子さんは、コアアラインに登った後、あげにくい左手で天井をつかもうとしています。
ピラティスを愛する皆様のために、我々ピラティスインストラクターは、日々勉強を積み重ねていきたいと思っております。
なお、ピラティススタジオB&B代表の田沢優は、PMA-CPTの数少ない日本人ピラティスインストラクターです。
マシンピラティスとは?
マシンピラティスとは、ジョセフ・ピラティス氏が開発したピラティスマシン等を使用しながら行うピラティスのことです。
一般的にマットピラティスは「難しい」と言われております。
それは、マットピラティスは筋力や筋バランス・姿勢の問題により、正確に身体を動かせず、目的とは違う筋肉が働くことがあるからです。
ピラティスマシンを使うことで、身体を支える補助、または負荷を加えることが可能になるため、正しい動き(ムーブメント)を導き出しやすいというメリットがあります。
「これが本当のピラティスなんですね!今まで『ピラティスは難しい』と思っていた考えが100%変わりました!!」
B&Bのピラティスを体験されて、多く聞く感想です。
コアアラインとは?
立って行えるピラティスマシン
2005年にイスラエル人である理学療法士のジョナサン・ホフマン氏が開発した「コアアライン」。
開発して数年で、爆発的なスピードで世界のピラティススタジオにおいて広まっています。
リフォーマーエクササイズだけでも素晴らしいメニューはたくさんありますが、立位でのエクササイズ数が少ないのが唯一の欠点でした。
人間は元々「直立二足歩行動物」。立って行えるエクササイズが多く、コアアライン上でのウォーキングは、乗って歩くだけで歩行動作の改善に繋がります。
様々なウォーキング教室が各地で開催されておりますが、コアアライン上で歩くだけで、「体幹を使った歩き方」が確実に実感できます。まさに「美脚マシン」と言える優れたマシンです。
ピラティス&コアアラインスタジオB&Bでは、錦糸町スタジオに都内で最も早い2012年8月にコアアラインを導入いたしました。
また代表の田沢優は、日本で初めてのコアアライン・ファカルティ(マスタートレーナー)の3人のうちの一人です。 (詳しくは、「コアアラインの背骨を与える効果」のページをご確認ください。)
まだ国内で指導できるトレーナーが10名程度しかおりませんが、B&Bでは「コアアライン」を体験できる数少ない日本国内のスタジオとなっております。
アスリートピラティスとは?
ピラティスは世界中のアスリートがトレーニングの一部として取り入れていますが、当スタジオ所属インストラクターが数多く資格取得しているPHIピラティスにおいても、NFL(National Football League)やNHL(National Hockey League)、そして日本ではプロ野球選手、サッカー日本代表クラスの選手達などの間で行われています。
ピラティスの柱である「姿勢改善」、「四肢のダイナミックムーブメントに対応できる体幹(コア)作り」、そして「身体調整能力向上(コントロロジー)」が、様々な分野のアスリートの競技力を向上させます。
アスリートの持っている潜在能力が身体調節力を養うことによって引き上げられるため、短期でパフォーマンスの向上がみられます。
通常、オフシーズンに行うトレーニングとして、試合期などでは補強やウォーミングアップとしても活用されています。
下記動画は、NFLのトッププレイヤーがコアアラインおよびピラティスのパーソナルレッスンを受けているシーンになります。
当スタジオにおいても、ピラティス&コアアラインによるトップアスリートの指導を行っておりますが、競技力向上の手応えをいただいております。
「ピラティスがうまくなるためのピラティス指導」ではなく、「ピラティスをすることにより新たな身体の動かし方、運動パターンを覚え、その結果運動パフォーマンスがアップする」
そのようなご指導を当スタジオでは心がけておりますし、だからこそ競技特性に近い動作が可能な「コアアライン」を当スタジオではいち早く取り入れているのです。
※陸上トップアスリートに対する、コアアラインによる「アティチュードアーム」。
空中でのバランス姿勢安定化および片脚立脚の安定性の強化メニューの様子。
産後ピラティスとは
産後は、骨盤底筋群や骨盤内の神経が傷つくことにより、コアの感覚が鈍り、「ぽっこりお腹がなかなか凹まない」どころか「尿漏れがなかなか改善しない」といった現象が多発します。
アメリカの産婦人科医であるDr.クロフォードは、「産後は可及的速やかに骨盤底のエクササイズをするべきである」と提唱しております。産後のお腹の引き締め、その他諸症状の改善のために、ピラティスエクササイズは最適な解決策のひとつと言えます。
出産時に傷ついてしまった骨盤底筋群を中心に感覚を導き出し、その他のインナーユニット(腹部の深層筋群)を活性化させ、産後の尿漏れ防止のようなマイナスからのスタートだけでなく、産前よりもお腹の引き締まる感覚がわかることを目指します。
ピラティススタジオB&Bでは、産後ピラティスの指導が豊富な指導者が多数在籍しております。